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The Very Thought Of You / Nicole Henry

 2004年のデビュー・アルバム「The Nearness of You」で完全にKOされてしまった女優兼モデルのジャズ・ヴォーカリスト、ニコール・ヘンリーの3年振りの第3弾です。前作では人気ヴェテラン・ピアニスト、エディ・ヒギンズのトリオをバックにしたNY録音でしたが、今作はデビュー盤と同じく意気の合った地元マイアミのミュージシャンとのマイアミ制作盤です。彼女の変な誇張も力みもないリラックスしてさらっとした感じのヴォーカルは、その落ちついた声とあいまって、なんとも言えぬ心地よさを与えてくれます。収録曲はスタンダード11曲に今回初めて収録された本人書き下ろしによるオリジナル曲が1曲。バックの演奏も申し分なく、軽く一杯飲りながら、一日の疲れを癒すのにはもってこいのジャズ・ヴォーカル・アルバムです。まさに当店の思惑にどんぴしゃり、これでまた当分ニコール漬けです。 (2008/10/3)
 

No Regrets / RANDY CRAWFORD & JOE SAMPLE

 私の大好きなピアニスト、ジョー・サンプルの新作です。前作2006年の『フィーリング・グッド』と同じく旧友で名シンガーのランディー・クロフォードとの共演盤で、プロデュースもトミー・リピューマとジョー、バックもクリスチャン・マクブライト(b)&スティーヴ・ガッド(ds)と一緒なんですから悪い訳がありません。ただ今作はとてもブルージー、さすがトミーとジョー、単なる続編にはしていませんでした。ランディーにブルースを歌わせるべく、トミーとジョーが選りに選ったという13曲は全てカヴァー、カウント・ベイシー、ビリー・ホリデイからサラ・マクラクランまでと時代を越えた名曲ばかり、とりわけアルバム・タイトル曲はあのエディット・ピアフの曲なんですからびっくりでした。それにしてもランディーの素晴らしい事、デビュー&大ヒット・ナンバー「ストリート・ライフ」が79年だから、もうすぐ30年か、このコンビずうっと続けて欲しいもんです。(2008/9/26)

 

THEN AND NOW: THE DEFINITIVE HERBIE HANCOOK

 アコースティックだろうがエレクトリックだろうがなんでもござれ、ジャズ界のスーパー・ピアニスト、ハービー・ハンコックの45年の軌跡を凝縮したアルバムです。60年代の純ジャズから、ファンク、フュージョン、映画音楽、ヒップ・ホップ、そして昨年のジョニ・ミッチェル・トリビュート盤まで、レーベルを越えて大胆にピック・アップ、その時代、その時代の代表曲がしっかり収められています。どの曲を聴いても若干の懐かしさは感じるものの、古さは全く感じません。逆にかえって古い年代のナンバーの方が新鮮に響いてくるんですから驚きです。これが常に時代の最先端を走っていたハービーの凄さでしょうか、憎たらしい程のかっこよさです。超オススメのこのCD、初CD化ライヴ音源2曲を含む全12曲入りCDにボーナスCD(3曲)&DVD(ライヴ映像3曲)までついてなんと3300円、日本盤初回限定パッケージなのでお早めに。(2008/9/19)

 

I need a change,too / 熊谷ヤスマサ

 1月の野本晴美トリオ・ライヴの際、ビーボーイ然としたかっこうで飛び入りし、独特なプレイ・スタイルとスケールの大きい演奏で、私たちを驚かせたピアニスト、熊谷ヤスマサ君のデビュー盤です。ストレートアヘッドなジャズからヒップ・ホップ的なアプローチのものまで、まさにこれが現代のジャズだと言わんがばかりのサウンドを響かせており、彼のセンスの良さがビンビン感じられるアルバムになっています。スローなものからアップテンポのものまで、何処をとっても、繊細かつダイナミックによく歌ってる彼のピアノは、音もいいし、ほんとゾクゾク、ワクワクもの。基本的にはピアノ・トリオ形式の演奏がほとんどなんですが、えっと思うようなサウンドや、アルト・サックスが加わったカルテット、アルト・サックスとトランペットが加わったクインテットでの迫力満点な演奏も収められています。ピンクでよく目立つジャケットも秀逸ですし、13曲入って2000円というのも素晴らしい、自信を持っておすすめします。ちなみに彼,地元江古田在住です。(2008/9/12)
 

live from austin tx NORAH JONES

 今一番のお気に入りミュージシャン、ノラ・ジョーンズの4年振り3枚目のDVDです。2007年6月、テキサスはオースティンでのライヴ映像なんですが、前作(ナッシュビル)、前前作(ニューオリンズ)同様、ノラ&ハンサム・バンドの面々が大ホールではなくステージと客席が近いライヴハウスのような会場でリラックスした雰囲気の中、淡々と演奏を続けていく様子が収められています。ゲストが二人共演してますが、内容は大満足、何回観てもあきません。今作では初めてノラがピアノ、キーボードだけでなくギターを弾きながら歌ってますし、バンド・メンバーも全員楽器を持ち替えてライヴならではのサウンドを生み出しています。中でも謎のバックコーラス美女、ダルー・オダがアルト・フルート、ベース、ハーモニューム、ピアノ、パーカッションと大活躍、そのスレンダーな容姿と相まってとってもいい味を出しています。名曲「COME AWAY WITH ME」のギター弾き語りヴァージョンで始まり、大ヒット曲「DON'T KNOW WHY」で終わるこのDVD、映像、音質、アレンジ、構成どれをとっても文句無し、ノラ・ファンなら絶対買いのDVDです。(2008/9/5)

 

energy / FOURPLAY

 ご存知、ボブ・ジェイムス(keys)、ラリー・カールトン(g)、ネーザン・イースト(b)、ハーヴィー・メイソン(ds)の4人の名手が組んだスーパー・フュージョン・グループ、フォープレイの新作です。毎度のことながら、隅々まで完璧と思われる程の完成度の高い、これぞフュージョンの王道といった演奏が続きます。そりゃあこの4人なんですからさもありなんですが、それにしても今作は今まで以上に気合い充実,入魂の一作といった感ありのできばえです。相変わらず音は極上で心地よさ満点だし、7曲目のスリリングな展開や、ゲスト・ヴォーカルのエスペランサなど聴き所満載、とりわけカールトンのいいこといいこと、これはもうフュージョン・ファン必携です。(2008/8/29)


 

Gentle Ballads III / Eric Alexander Quartet

 先々週におすすめしたテナー・サックス奏者エリック・アレキサンダーのバラード集「ジェントル・バラッズ」の第3弾です。今作も全く言う事無しのできで、まさに絶好調、バラード演奏に関してはテナー・サックス奏者としてはもはや敵無しとさえ言われています。「もとがバラードならどんな料理をしてもジェントル・バラッズとしてOK」とエリックが解釈してるそうで、そのためこのシリーズはすべてがスロー・ナンバーだけじゃありません。そのところが聴きやすさにも繋がってるし、逆にスロー・ナンバーの良さを一層際立たせることにもなっています。これぞテナー・サックスと言われる素晴らしい音で、雄々しく紡ぎ上げていくエリック、今年で未だ40歳、いやほんとに素晴らしい。(2008/8/22)
 

last days at the lodge / amos lee

 ノラ・ジョーンズ・バンドのベーシストでノラの良き相方、リー・アレキサンダーのプロデュースでメジャー・デビュー、フォーキー・ソウルの始祖と称されるシンガー・ソングライター、エイモス・リーの3作目です。デビュー盤ではノラが参加してたりしてましたが、今作では大物ゲストの参加はなく、あくまで自身のオリジナル・ナンバーとヴォーカルで真っ向勝負、落ち着いたアコースティック感の強いサウンドをバックにさらっとした伸びのある声で、しっかり歌い上げています。今までのアルバムの中では一番ロック色が濃くてカラフルですが、エイモスの音世界、ソウルフルな歌声やアコースティック・ギターの美しい響きは全く変わっていませんし、かえってより一層深みが増しかっこよくなっています。2曲目「won't let me go」を中心にヘヴィー・ローテーション中ですので、ぜひ聴きに来て下さい。(2008/8/15)

 

Gentle Ballads II / Eric Alexander Quartet

 ここではおなじみ、大好きなテナー・サックス奏者エリック・アレキサンダーの新作です。それもエリックの諸作の中でも一番のお気に入り、バラード集「ジェントル・バラッズ」の続編なんですから、応えられません。バラードを吹かせたら当代随一と評されるエリックの素晴らしさがストレートに伝わって来ます。毎回言ってますが、エリックの最大の魅力は音そのものです。私のイメージする、これぞテナー・サックスって言う音そのものなんです。その素晴らしい音でバラードを雄々しく吹き上げるんですからもうたまりません。ただただひれ伏すのみです。1曲目のインストではなかなか取り上げられることの少ない名曲「モナ・リザ」の料理の仕方だけで完全に殺られちゃいました。全曲言う事無し、ほんとに素晴らしい。出来るだけ大きな音で聴くのが望ましいと言うか気持がいいので、ぜひ聴きに来て下さい。(2008/8/8)

 

A GOOD DAY / PRISCILLA AHN

 いつものCD屋さんで「クチコミで大ヒット中!ノラ・ジョーンズに続く話題の歌姫プリシラ・アーン、名門ブルーノートからデビュー!」といううたい文句に釣られて試聴、思わず聴き込んでしまった。ノラの大成功以降、多くのフォロアーが出てきたが、ノラと同じブルーノートからは初めてだ。とは言えシンガー・ソングライターという点は共通だが、ノラはスモーキーなワン・アンド・オンリーの歌声のピアノ弾き語りでジャージー、かたやプリシラはピュアーな歌声のギター弾き語りでとってもポップ、活動拠点はノラがNYでプリシラはLAと大違い。さすがブルーノート、単なる似たものフォロアーでなく、ちゃんとオリジナリティーに溢れたいい世界を持ったシンガーをデビューさせたってたとこかな。歌声、サウンド共にじつに爽快で気持がいい。いかにもLAってな感じ。当分かけまくるので、ぜひ聴きに来て下さい。(2008/8/1)
 

JawaNote