2009/05/20 (Wed)
インフルエンザ騒動でどうなるかと思っていましたが、5月10日〜17日にかけて、ドイツ・デュッセルドルフのWFK会議(世界洗浄会議)に出席のための海外出張に出かけ、無事に帰国しました。 昨日・一昨日は帰国後早速の会議、帰国後の手続き等の用事に追われていましたが、そろそろ日記的に書いておくことにしました。
まず、忘れてはならない重要なアイデア。WFKというのは洗浄を専門とする研究・試験機関です。元々は衣類の洗浄に関するものを中心に扱っていましたが、最近では建物や産業洗浄など、洗浄に係る対象は広く扱っています。そのWFKの施設見学のコースにも参加できました。また、WFK主催の会議ということで、WFKからの発表も非常に多く含まれていました。
一言でいって…、うらやましい。決して高レベルなテクノロジーの研究機関というのではないですが、実用に即した洗浄に係る試験・研究を広くカバーできる態勢が整っています。そして感じました。日本は負ける。
今まで日本では組織だって試験・研究を行っていくということは少なかったのですが、衣類の洗浄に関しては日本の家政系大学の研究者等が比較的多くの業務を担当してきました。しかし、家政系の被服分野が全体的に見れば壊滅状態に近い状況になってしまい、洗濯に関しては大手洗剤メーカー等が単独で取り組んでいるに過ぎない状況に近付いているといえるでしょう。
しかし、洗浄分野の試験・研究の中で、大手洗剤メーカーがカバーできる部分というのはそれほど多くはありません。むしろ、洗浄の分野が広がっていく現状では、ほぼ不可能です。たとえば、床洗浄に関連して、降雨時の滑りやすさなど。洗剤メーカーでは関連商品を開発するタイミング等でなければ手を出さない分野でしょう。一方、大手ではない床クリーニング関連商品を扱っている企業では、そういった試験に本格的に取り組むことはできません。WFKではそういった試験も行われています。病院の施設・器具類の洗浄に関する試験なども開発し、委託試験を受け入れています。
もともと、WFKはメジャー企業以外の業者のサポートを目的に設立された組織で、中小メーカーを援助して共同で非常に興味深い研究開発に取り組んでいます。「洗剤を使わない…」なんていうのも色々と取り組まれていました。ただし、日本で多くみられる怪しいものと違って、技術・根拠等でしっかりとしたものが目指されています。
ちょうど、日本でいえば、規模的には多くのせっけんメーカーがそういった業者に相当するでしょう。しかし、私の知る限り、日本のせっけんメーカーは開発・研究力をほとんど失ってしまっているように思えます。財政的には比較的豊かなせっけんメーカーも、まともな研究に手を着けているところは皆無のようです。技術に根ざした新商品開発なんていうのは、よほどの人材がいない限り中小企業単独でできるものではないので、当然ですね。それが、ドイツではWFKが核になって様々な技術開発がおこなわれている…。
日本でも洗浄に関する試験・研究の組織を立ち上げることはできないだろうか?でないと、今後の世界基準等、全部EUの言いなりになってしまわないだろうか?
真剣に上記のようなことを考えるきっかけになったドイツ出張でした。
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