サトザクラ

漢字里桜
学名Cerasus lannesiana Carriere
満開期04/04-04/24
個体番号13_32(山桜) 14_03(白妙) 15_06(山桜) 18_05(里桜系) 18_11(山桜系) 21_14(山桜) 21_15(山桜) 23_21(雨宿) 23_27(十二月桜) 35_11(江戸)


オオシマザクラを母体としたと考えられる栽培品種の系統。したがってサトザクラという生物学上の種は存在しない。広い意味で、山に自生するサクラに対して里で栽培するサクラを「里桜」として総称することもある。また、命名規約上から記載された個体を狭い意味での‘サトザクラ’という栽培品種とすることも出来るが、一般的に上記のような系統に対する総称として用いられることが多い。この系統の歴史は古く、鎌倉時代まで遡ることが出来ると思われるが、現在まで伝わっている栽培品種は江戸時代中期に京都や江戸で栽培されていたものが中心と考えても良い。オオシマザクラは母体であり、多くの栽培品種にその特徴が現れているが、ヤマザクラやカスミザクラ、オオヤマザクラ、マメザクラなども交雑していると考えられるものもある。また、栽培品種の実生には当然ながら母樹とは異なる形質をもつ個体が存在するので、こうした個体には新たな栽培品種名をつけるかサトザクラと称するしかない場合も生じる。
 新宿御苑にもそうした個体がいくつかあるようである。13_32は台帳ではヤマザクラ。花は白色で単弁。しかし形態からはサトザクラの影響もあるようで何らかが交配した実生である可能性がある。14_03は台帳では「白妙」であるが明らかに異なる。‘ジョウニオイ’に似て、花は白色で中輪一重、若芽の色は緑色で特徴は少ないが、花に強い芳香がある。しかし形態に多少の違いがあることから、別クローンであろう。なんらかの実生かもしれない。18_05の花は紅色で大輪八重。‘キリン’に似ているようにもみえるが、花弁は細くがく筒の形も異なる。観賞価値は高く、古くから伝わる栽培品種である可能性があるので、今後の検討が必要である。18_11の花は白色で中輪一重。葉の表面は毛が多く重鋸歯であるのでマメザクラの影響があるように思えるが、詳細は今後の課題である。(1999.12.03 勝木)


新宿御苑 18_05 1998/4/21


T.Katsuki